インタビュー

代表取締役社長 鹿野 興宗

代表取締役社長 鹿野 興宗

創業からの振り返り

現社長で5代目の大角屋トーヨー住器は大正121923年に創業。創業当時は地域住人の皆様に何でも売る雑貨屋。実は社名の“ダイカクヤ“は創業当時地域住民から「大角(大和町落合)から出てきたからダイカクヤ」と呼ばれていたことに由来する。地域に愛され親しまれて発展してきた事実が社名にも表れている。
2代目のころから釘や針金などの建物関係の商材を扱う。くしくも関東大震災の年に創業し、今年で100周年を迎える当社は、住宅面から地域の皆様の暮らしを支え、発展してきた。宮城県沖地震や東日本大震災、台風や豪雨など度重なる自然災害のたびに地域の皆様の住宅の復旧に全力で取り組んできた。
 
 

5代目が大事にしていること

今までもそしてこれからも私たちが一番大事にしたいのは、社員とその家族の幸せ。
私たちはリフォーム等を通じて地域の皆さまに笑顔になっていただく仕事。
仕事をしている我々が幸せでなければお客様に笑顔をお届けできないと考える。

ダイカクヤとしての転換期

実は第二次世界大戦中、2代目の時に休業している。
大戦明けに3代目を中心とした社員たちが一致団結して会社を復活させた。全社員一丸となって会社づくりを進める文化はその時から脈々とダイカクヤには根付いている。
また昭和50年、4代目の時に当時のトーヨーサッシ(現リクシル)のフランチャイズに加盟。商材のラインナップをより増やすとともに、個人商店ではできなかった月次決算などの経営基盤が整備され家業から企業への変貌を遂げた。

社員とのコミュニケーション

現社長が会社を継いだのは入社10年たった32歳の時。就任当時は先代が育てた社員たちが、経験のない5代目を大いに支え経営を盛り上げた。当時を振り返える社長が、「いい社員に恵まれた」と目を細める。至らないことは指摘し、皆でやるべき時は一致団結し取り組む、ざっくばらんな、和気あいあいとした家族的なコミュニケーションがダイカクヤの強みだ。
震災の時は社長の家に寝泊まりした社員もいた。そこには食べるものがあったから。当時は夜の11時12時までやらないととても仕事が回らない状態。自分達も被災者ではあるが地域の皆さんの生活を一刻も早く回復するため、皆で必死に乗り越えた。日頃の社員同士のつながりの強さが困難を乗り換える原動力になっている。

社長としての会社への思い

100年の歴史がブランド。私たちが大事にしている接客態度がある。
“笑顔で挨拶をして、誠意をもって仕事をして、感謝する”
どんな時も我々が笑顔で挨拶することで相手も笑顔になり、地域を元気にする。誠心誠意お客様の要望に応え、常に“おかげさま”の感謝の精神があったから、お客様に支えられて100年続いてきた。
今後はその接客にさらに磨きをかけ、次のステージに挑戦する。
もちろん居心地のいい社風のままで、皆でもっともっと成長していい会社にしていく。

今後の展望

中長期的にはBtoCへの変貌を視野に入れ事業運営を行っている。
私たちが代々取り組んできた住宅からは離れずに直接施主様のお悩みにお応えできる存在を目指す。
現在リフォーム業界は大変競争が厳しいが、誠実な対応により信頼されることが一番だと考える。今後はお客様の思いや生活事情に合わせた提案を行い、施主様の思いを一緒に実現できるパートナーになることが私たちの願いだ。創業100年を節目に、接客力・提案力・技術力を大いに磨きさらなる飛躍へのダイカクヤの挑戦が始まる。

取締役専務 鹿野

取締役専務 鹿野 利家

入社の経緯

5代目社長の翌年1994年入社。
先代に子供のころから「将来は兄弟二人で会社経営してほしい」と言われてきたのでごく自然に入社に至る。
2010年には先代からの構想にあったエクステリアショップダイカクヤ仙台店を立ち上げ、エンドユーザー獲得に本腰を入れる。
ここ北中山は仙台市内でも比較的古い団地で、リフォームのニーズがあると判断して出店した。直接施主様と接点を持つことは私たちにとって新しい挑戦であった。

ダイカクヤの営業スタイル

大事にしているのは人のつながり。
昔ながらのお抱えの職人など今までのご縁を大事に商売することを信条としている。
目の前のお客様に誠実に対応すること。余計なものを売りつけず、お客様のご要望を今の生活の中でどのように実現できるのか一緒に考え、意思決定のサポートするのがダイカクヤスタイル。
仙台に出店以来貫いているこのスタイルが、地域の皆様に対して厚い信頼を生んでいる。地元町内会からも仕事を頂くなど生活・住宅回りで困ったら最初に相談される存在だ。
基礎工事から屋根の修繕まで住宅に関する高レベルの知識・ノウハウを有している当社は、ただ部材を交換するだけでなく快適に生活するための提案ができる。これがダイカクヤの強みだ。
営業エリアは基本的には半径5キロ圏内。ご相談があったらすぐに駆け付けたいから。お客様からの相談は「水道交換」「外壁塗装」「雨漏り修繕」など多岐にわたるが、目の前のお客様一人一人に向き合い誠心誠意対応する。時間も手間もかかるがこのスタイルは今後も変えるつもりはない。
その姿勢がお客様に伝わり、ほかの業者が来ても「うちダイカクヤさんにやってもらってるんで」と断って我々を頼ってくださる。そんなお客様を今後も裏切れないので、お客様の相談に対しても、今やるべきことかどうかから判断して本当に必要なご提案をしている。
例えばウッドデッキの設置。当社は社員職人がやるので安い。
お客様の利用状況、生活シーンをイメージしたお話しをする。春以降は裸足で歩きたい
バーべキューで利用したい等の要望により、焦げないような使い方をご案内したり、汚れにくい素材をお勧めしたり、屋根を付けた提案もする。利用するシーンや楽しむシーンを考えて一言添えることを心がけている。

100周年を迎えて思うこと

人のつながりを大事にして、世の中の流れに柔軟に対応し成長するのがダイカクヤ流。
私たちの成長にはお客様とのつながり、同業者とのつながり、社員とのつながりがある。人のつながりを大事にしてきた経営スタイルで今後も堅実に成長する。
また、“まじめにワイワイ”が私達の組織風土。
ダイカクヤは社員の仕事への取り組み姿勢も一味違う。ワイワイガヤガヤと楽しくそしてまじめに仕事に取り組んでいる。お客様への誠実な対応はもちろんだが、自分たちが仕事を楽しむスタンスも大事だと考える。
もちろん、しんどいことはあるが一生懸命に皆で取り組み一致団結することで、後で笑って話せる。

専務としての会社への思い

現在はメーカーの販売店として安定した経営できているが、もう1ランク上の事業にしたい。多様化がキーワードで垣根がなくなるこの業界の中で、私達も増員するなり事業内容を多様化するなりの進化が必要。サッシだけを案内する時代は終わり、トータルでお客様の要望に応えることが求められるようになる。私達はBtoCBtoBtoCをバランスとってやりたい。
また、その時代にマッチした仕事をすることも重要である。
時代の変化とともに、お客様の生活スタイルも様々。自宅が古いままでいい人もいればマンション買うまたは借りる選択肢もある。結婚する方も減ってきており、独身女性向けのリノベーションのニーズも増えている。お客様の生活スタイルや要望の変化にしっかりと応え、お客様から信頼される存在であり続けたい。

今後の展望

あと 10年もすると客層が変わり、ご年配の一人親方が減るなどサービスの供給体制も変わる。しっかりと若手社員を育てて対応していきたい。
中期計画のなかで増員しながら顧客寄り添うダイカクヤスタイルに磨きをかけ、次の 100年に向けて拡大を目指す。